数々の民話や童話に登場するイタズラ者、狸。
狐と同じく人を化かす動物として知られますが、そのとぼけた風貌からか、より滑稽で愛嬌のある役回りで描かれることの多いキャラクターです。カチカチ山や證誠寺の狸囃子、分福茶釜、四国の八百八狸など…狸の活躍する作品は枚挙にいとまがありません。
信楽焼の狸にみられる「狸八相」や、「他を抜く」との語呂から、縁起物として喜ばれる存在でもあります。
吉福社中では、そんな狸の姿を舞に仕立てています。振り付けには腹鼓・綱渡りなど、民話に登場する狸のおどけた仕草を取り入れました。
狐が登場する演目でライバルとして張り合ったり、獅子舞に化けて勇壮に舞ったりと、名脇役として活躍しています。
2016年には、分福茶釜の伝説が残る群馬県館林市の茂林寺にて奉納が叶いました。参拝客の皆様に愛される新名物を目指し、四季折々に本堂や境内での自主奉納に伺っています。
また、2024年、狸の恩返しの伝説が残る世田谷区の三宿神社の例祭にて狸神楽を奉納いたしました。
後継者不足で途絶えてしまったという狸神楽を20年ぶりに復活させた形となります。新たな伝統として今後も奉納を続けてまいります。