天岩戸(あめのいわと)

太陽を司る最高神・天照大神が、弟神の乱暴狼藉に心を痛めて岩戸にこもってしまいました。

そこで神々は天安河原に集まり、岩戸からお出でいただくための策を講じました。

神々が祝詞を唱え、神具を揃えて場を整えたところで、

舞の得意な天鈿女命が愉快な踊りで神々を大いに笑わせ、騒がせます。

天照大神が何事かと岩戸を開いたところで力自慢の手力雄神が引っ張り出します。

こうして世に再び光が戻ったのでした。

 

日本神話で一二を争う有名なエピソードです。

吉福社中の神楽「天岩戸」は中心となる三柱の神様の舞から成る演目となっています。


登場人物

天照大神(アマテラス)

高天原を統べる最高神にして太陽の神。

イザナギの禊によって生まれた三貴子の一柱で、弟神にあたるスサノオが暴れ回ったことで岩戸に籠ってしまう。

のちに孫神ニニギを地上に遣わした(天孫降臨)ことが我が国の天皇家の始まりであり、皇祖神として伊勢神宮を筆頭に日本全国で奉られている。

 

天鈿女命(ウズメ)

踊りが得意な女神。

陽気な舞で皆を笑わせて明るい雰囲気にし、アマテラスを誘き出す。

このことが神楽の元祖とされ、今でも芸能の神として信仰を集めている。

手力雄神(タヂカラヲ)

力自慢の男神。

外を覗いたアマテラスの手を引いて岩戸から引っ張り出す。

岩戸自体をこじ開け、放り投げたという逸話も多く残り、戸隠神社などの御由緒となっている。


奉納神社

・戸隠神社(長野県) 2022年6月