天浮橋(あめのうきはし)

伊弉諾は妻の伊奘冉尊と共に多くの神様や国土を産みました。

しかし火の神様・軻遇突智が生まれた時、伊弉冉尊は火傷により命を落としてしまいます。

伊弉諾尊は深く悲しみ、黄泉の国まで妻に会いに行きますが、

彼女は既に死の汚穢に染まっており、永遠に別離を告げることになりました。

 

そして穢れを祓うべく行った禊により、また次々と神様が生まれたのです。

天照大神、月読命、素戔嗚尊の三貴子を産んだ伊弉諾尊は、務めを果たしお隠れになられました。

 

吉福社中の神楽「天浮橋」は伊弉諾尊の生涯を、二柱の重要な神の誕生を通じて描いた演目です。

 


登場人物

伊弉諾尊(イザナギ)

神世七代の最後に生まれた男神。

女神イザナミとともに造り固めた淤能碁呂島に降り立ち、夫婦となって国土や神々など万物を生む。

最愛の妻を喪い、流した涙や息子カグツチの殺害、穢れを払うための禊の過程でも神が生まれ、多くの神の父神となった。

繁栄をもたらす神として、妻イザナミと共に多くの神社で奉られている。

 

 

軻遇突智(カグツチ)

火の神。燃える体で生まれたために母神イザナミに火傷を負わせてしまう。

悲しんだ父神イザナギに殺され、その血や亡骸からも多くの神が生まれた。

全国の秋葉神社などで火伏の神として奉られている。

天照大神(アマテラス)

高天原を統べる最高神にして太陽の神。

イザナギが禊の際に左の目を洗った時に誕生する。

 

のちに孫神ニニギを地上に遣わした(天孫降臨)ことが我が国の天皇家の始まりであり、皇祖神として伊勢神宮を筆頭に日本全国で奉られている。