御伽神楽(おとぎかぐら)

吉福社中では、神社やお神楽に親しんでいただく活動の一環として、オリジナルストーリーのお神楽も創作しております。明快で学びがあり、大人から子供まで楽しめる「おとぎ話」のような演目にしたいという思いから「御伽神楽」と名付けております。

 

日本神話だけでなく昔話や他の伝説などもモチーフとして取り入れ、分かりやすい台詞劇の中で舞を披露する、和製ミュージカル仕立ての演目です。

面や装束、舞の雰囲気などはそのままに、他の演目より親しみやすい物腰になった神様や神使、妖怪などのキャラクターや、さまざまな仕掛けが境内を盛り上げます。


狐空漫遊(こくうまんゆう)

2015年に千束稲荷神社例大祭などで披露。「吉原の狐舞ひ」の狐太夫・百合之介が、空飛ぶ傘につかまって浅草の空を旅します。

伝法院のイタズラ狸、隅田川に住む河童、雷門の雷神様、吉原弁財天の弁天様など、地域にちなんだキャラクターが次々登場しました。

頑童鍛冶(がんどうかぬち)

2016年に千束稲荷神社例大祭で披露。

能「小鍛冶」、神楽「神剣幽助」のパロディで、壊れてしまった神具の宝剣を治すべく、吉原の狐たちが炎の国に住む鍛治が得意な狐に会いに行くという、狐づくしの演目でした。

悪猫討伐(あくびょうとうばつ)

2017年に千束稲荷神社例大祭で披露。

吉原の番所に務める男狐たちが、遊女に化けて廓客を喰らっていた化け猫の正体を暴き、退治します。

目が光り、爪が動く巨大な化け猫は歴代演目中一番の大仕掛けでした。

山海奇譚(さんかいきたん)

2018年に千束稲荷神社例大祭で披露。

 

日本神話の海幸山幸伝説を描いた神楽の演目「山海交易」をキャラクターに落としこんだ演目です。

狐が河童の釣り針を無くしてしまい、海の妖怪・猩々の導きで海底を冒険します。山の獣や海の魚たち、大きなタコなど個性的なキャラクターが登場する、前後編に分かれた大作です。

 

 

狐狸漫遊記・風雷編(こりまんゆうき・ふうらいへん)

2019年に千束稲荷神社例大祭で披露。

狐空漫遊のリニューアル版です。

稲荷神の使いの狐とイタズラ者の狸が、旱魃の原因となっている風神と雷神の喧嘩を止めるために奔走します。道案内人として猿田彦神も登場しました。

 

 

天岩戸(あめのいわと)

2020年に深川資料館小劇場で披露。コロナ禍のため無観客公演で動画のみ配信しました。

神話の有名エピソード「天岩戸」を描きますが、太陽神アマテラスと弟神スサノオの確執と和解、事件の影で暗躍するツクヨミ、解決に苦心する高天原の神々のドタバタぶりを、舞よりも芝居にウエイトを置いた現代劇寄りの構成で描きました。

 

 

 

川流れ河童道中(かわながれかっぱどうちゅう)

2022年に三島市民文化会館で行われた、栖足寺千葉住職の音楽法要ゲストとして披露しました。

隅田川の河童が浅草から河津に向かうというコミカルな冒険劇で、雷門の風神・雷神に始まり、芦ノ湖の龍神、富士山の木花咲耶姫など、静岡への道中にちなんだ神楽舞を盛り込みました。