香々背男(かがせお)

香々背男=天津甕星は日本神話の星の神で、葦原中国平定の際に唯一従わなかった悪神とされています。

武神である武甕槌神・経津主神の二柱の力をもってしても服従しなかった香々背男は、織物の神・建葉槌命の力により誅伐されました。

 

吉福社中の神楽「香々背男」は主人公である建葉槌命が、綾織の中に封じ込めていた香々背男を七夕の夜に特別に解き放ち、共に舞うという物語になっています。

香々背男が巨岩に姿を変えたという伝承に基づき、クライマックスでは獅子を被って舞います。

登場人物

建葉槌神(タケハヅチ)

倭文神とも呼ばれる織物の神。

太陽神アマテラスが天岩戸に籠られた際も、儀式のために綾布を織ったとされている。

星の神カガセオを打ち砕き、綾織物の中に封じ込めた。

香々背男が祀られている大甕神社の主祭神であるほか、同じ茨城県内にある静神社にも祀られている。

 

香々背男(カガセオ)

星の神。平定に遣わされた軍神ミカヅチ(鹿島)・フツヌシ(香取)にも従わなかった強大な「まつろわぬ神」。

巨大な岩に姿を変えたが、タケハヅチに打ち破られた。

大甕神社の地主神として祀られており、その御霊は境内の大きな宿魂石に宿っているとされる。砕け散った際に海中に落ちた「おんね様」は漁の守り神としても信仰されている。